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本ブログは、医療空間における権力構造や、そこに生じる心理的な嫌悪感・ざわつき等を分析・考察するものです。特定の医療機関や従事者を非難・攻撃するつもりはありませんが、記事の性質上、医療現場の生々しい実態や直接的な表現が含まれる場合があります。ご自身の心身の状況に合わせて、無理のない範囲で閲覧をご判断ください。詳しくはサイトポリシーをご一読ください。
こんにちは、御簾納です。
上半身の密室に関するノートの切れ端、最後は「産婦人科」におけるおっぱいの扱いについてです。ここは、男たちが抱く「おっぱいへのエロティシズムの幻想」が、最も物理的に、かつ木っ端微塵に粉砕される空間です。
世の男性の多くは、女性の乳房に対して「柔らかく、性的な安らぎを与えてくれるもの」という身勝手で甘美な幻想を抱いています。しかし、ひとたび女性が出産を終え、母乳外来のベッドに横たわった瞬間、その空間は乳房の意味を根底から強制的に書き換えます。
乳房は、男のための性的オブジェクトであることを完全に剥奪され、新しい命を生かすための「ミルク工場(生物学的なインフラ)」へと変貌を遂げるのです。
母乳が作られ始めた乳房はパンパンに張り詰め、時に石のように硬くなります。そして、乳腺が詰まり炎症を起こす「乳腺炎」が発症したとき、女性たちは高熱と激痛にのたうち回ることになります。その治療のために行われるのが、助産師による乳房マッサージ、すなわち「搾乳」です。
マッサージと聞くと優しい響きですが、現実は違います。
助産師は石のように硬く張った女性の胸を両手で鷲掴みにし、全体重を乗せるようにして力任せにゴリゴリと揉みしだきます。悲鳴を上げる女性を押さえつけ、強烈な圧力をかけて絞り上げるその凄惨さは、時に古い血の混じった母乳や鮮血が飛び散るほどだと言われます。
ここにあるのはエロティシズムでも静謐な医療でもなく、ただひたすらに詰まった配管を力技で貫通させるための「解体と修理の作業現場」です。
もし一人の男がこの光景を直視したなら、自分が欲望の対象としていた柔らかい乳房の面影はどこにもなく、他者の手によって無慈悲に絞り上げられている「肉の塊」を見るだけでしょう。
この空間において、男のまなざしは完全に疎外され、母性という圧倒的な機能の前で無力な傍観者へと追いやられます。
医療空間は、これほどまでに残酷な形で男の影を拭い去り、女性に母としての機能だけを強要する。乳房という器官一つをとっても、空間によってこうも意味が書き換えられてしまう事実に、人間の身体の複雑さを思わずにはいられません。
それでは、また気が向いた時に。


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