2025-12

社会とジェンダー

【No.081】制服の少女と得体の知れない怪物 —— 思春期外来の孤立

こんにちは、御簾納です。埃を被っていた私の研究ノートの切れ端も、いよいよ最後の一ページとなりました。締めくくりとして、今回は思春期外来という、極めて特殊でデリケートな空間について考えてみたいと思います。これまで私は、大人の女性にとっての婦人...
メディアと表象

【No.080】カメラが座った場所 —— 映画『あのこと』について

こんにちは、御簾納です。今日は映画の話です。フランス映画『あのこと』(原題 L'Événement、2021年)。1960年代、中絶が違法だったフランスが舞台です。貧しい労働者階級の家に生まれ、知性と努力で大学に進んだアンヌという学生が、試...
空間と装置

【No.079】『清潔感』という名の冷たさ —— 私が許せるのはベージュだけらしい

こんにちは、御簾納です。クリニックを歩いていると、ある一つの色の支配力に驚かされます。白です。壁、床、家具、それにスタッフの衣類まで、日本の医療空間では白が「清潔」「無菌」「誠実」の象徴として、ほとんど強迫観念のように使われています。ノート...
空間と装置

【No.078】フードコートの呼び出しベル —— 名前を呼ばないための、ずいぶんな回り道

こんにちは、御簾納です。婦人科の待合室で、患者をフルネームで大声で呼ぶことは、今では最大のタブーとされています。そのため番号札とモニターの組み合わせが一般的なのですが、近年、なかなかユニークな呼び出しシステムが導入され始めているようです。フ...
社会とジェンダー

【No.077】耳掃除との決定的な断絶 —— 大人の女性が「拭き方」を教わる理由

こんにちは、御簾納です。ネットの医療コラムを読んでいると、「おしっこをした後の拭き方」や「お風呂での正しい洗い方」が、大人の女性に向けて極めて真面目に指導されているのをよく見かけます。前から後ろへ拭きましょう。石鹸でごしごし洗ってはいけませ...
権力と医療倫理

【No.076】身体の腹話術 —— モニターは、なぜこちらを向いていないのか

こんにちは、御簾納です。先日、健康診断で腹部エコーを受けました。技師さんが冷たいゼリーを塗って、探触子をぐりぐりと押し当てていきます。ときどき力が強くて、うっ、と声が出そうになる。そして画面を見ながら、ぽつりと言うわけです。「んー」これが困...