2025-08

権力と医療倫理

【No.053】無影灯の下の生物学 —— 医師の絶対的優位と、男の二重の敗北

こんにちは、御簾納です。前回、私は自らの内面にへばりつく「オスのまなざし」の加害性を自覚し、空間社会学者としての完全な敗北を宣言しました。私はかつてこのブログの初期に、待合室にいる夫が抱くジェラシーや喪失感について考察したことがあります。し...
空間と装置

【No.052】空間社会学の敗北 —— 内面化された『オスのまなざし』と防空壕の正体

こんにちは、御簾納です。前回、私はSさんとの対話の中で、無意識のうちに自らの「オスとしての本音」を露呈してしまい、彼女から致命的な宣告を受けました。「女性がどれだけ無機質な検体になりきろうとしても、男の視線がある限り、それは性的な記号として...
社会とジェンダー

【No.051】「私のは綺麗ですか?」の絶望と、致命的な失言 —— Sさんとの対話(4)

こんにちは、御簾納です。前回、私は掲示板で見つけた「無菌の呪い」について書きました。そして最後に、掴みきれない尻尾が一つ残っている、とも。その話を、そのままSさんにぶつけてみました。彼女たちが検診の前に何度も身体を洗っていること。頭では検体...
社会とジェンダー

【No.050】無菌の呪いと、「頭では分かってるんだけどね」 —— 検体になりきれない女たちの自己検閲

こんにちは、御簾納です。Sさんとの対話が続いています。ここまでで彼女が私に叩き込んだのは、あの台の上で女性が何をしているか、ということでした。顔と下半身を切り離し、向こう側にあるのは自分ではないと言い聞かせ、幽体離脱して時間が過ぎるのを待つ...
権力と医療倫理

【No.049】概念の分断と視覚の漂白 —— 10万ルクスの無影灯の下で

こんにちは、御簾納です。Sさんとの対話は、器具による物理的な暴力から、さらに一段深い「空間の欺瞞」へとメスを入れていきます。女性たちが婦人科において最も根源的に抱いている「恥ずかしい」という感情の発生源。それは、子宮や卵巣といった「見えない...
権力と医療倫理

【No.048】ラテックスの手袋 —— 『触れているのに触れていない』絶対的断絶(Sさんとの対話3)

こんにちは、御簾納です。電動内診台による同意なき開脚、視覚の剥奪、クスコによる冷たい拡張。機械や金属による暴力性を語り終えた後、Sさんは医療空間に存在する「もう一つの極めて薄い壁」について言及しました。「器具を使わない触診のとき、先生がゴム...
メディアと表象

【No.047】産科の『聖』と婦人科の『俗』―― 1990年のまなざしを解剖する(箸休め)

こんにちは、御簾納です。Sさんからの強烈な証言に直面し、私の狂気じみた考察の熱量にあてられて、少し息苦しさを感じている読者もいるかもしれません。今回は少し視点を変え、箸休めとして、まだ緩やかだった時代のメディアがいかにこの空間をいびつに消費...
空間と装置

【No.046】金属の侵入と聴覚の拷問 —— Sさんとの対話(2)

こんにちは、御簾納です。Sさんとの対話は続きます。「空気に触れる」という剥き出しの現実を強いられた直後、内診台の上の女性には「分厚いカーテン」が引かれます。私はかつて(【No.040】で)、このカーテンは患者のためではなく、医師が感情を切り...
空間と装置

【No.045】待合室の疎外感と、自動開脚のパラドックス —— Sさんとの対話(1)

こんにちは、御簾納です。Sさんからの「綺麗事抜きの現実を直視する覚悟はあるか」という最後通牒を受け、私は数日後、彼女の婦人科検診に付き添うことになりました。もちろん、男である私が診察室の奥まで入るわけではありません。私は待合室まで同行し、検...
空間と装置

【No.044】妻たちの『消去法』とデザイン論への逃避 —— Sさんからの最後通牒

こんにちは、御簾納です。一連の考察は前回【No.043】でひとまずの区切りとし、このブログは記録として残しておくと宣言したばかりでした。しかし、私は早々に自らの不明を恥じ、再びこの重苦しい空間の扉を開けなければならなくなりました。休載期間中...