【No.071】3歳の侵入者と滑稽な疎外感 —— 結界を越える子どもたち

空間と装置

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本ブログは、医療空間における権力構造や、そこに生じる心理的な嫌悪感・ざわつき等を分析・考察するものです。特定の医療機関や従事者を非難・攻撃するつもりはありませんが、記事の性質上、医療現場の生々しい実態や直接的な表現が含まれる場合があります。ご自身の心身の状況に合わせて、無理のない範囲で閲覧をご判断ください。詳しくはサイトポリシーをご一読ください。

こんにちは、御簾納です。

前回、婦人科の待合室で息を潜める「付き添いの彼氏や夫」の話を書きましたが、今回はそれに少し関連した、私の個人的な笑い話をノートから引っ張り出してみます。

私の妻は、比較的あっけらかんとした性格で、自分の身体の不調やクリニックでの出来事を割とオープンに話してくれる女性です。

これは、二人目の子どもを妊娠し、妻が産婦人科に通っていた時のこと。ある日、妻は当時3歳だった息子を連れてクリニックへ行きました。

その日の夜、妻は少し恥ずかしそうに、しかし笑い話としてこう教えてくれました。内診台に乗って診察を受けている最中、足元にいた3歳の息子に、無邪気な大きな声でこう指摘されたのだ、と。

「ママ、お股丸見えだよ」

微笑ましい家族の風景に聞こえるかもしれません。しかし、これを聞いた私の心の中に湧き上がったのは、「ひどく滑稽な嫉妬心」でした。

社会において厳重にタブー視され、分厚いカーテンで隠蔽されている究極の禁足地。夫である私ですら一度も立ち入ったことのないその密室に、3歳の息子はあっさりと入り込み、あの電動内診台の上の無防備な光景を(無邪気とはいえ)真正面から目撃したわけです。「自分もそれを見てみたかった」という、父親らしからぬ嫉妬がほんの少しだけ胸をよぎったのを否定できません。

私のこの狂った感情は、あの空間がいかに「異常な引力」を持っているかを証明しています。

夫(最も親密なパートナー)は「男のまなざしを持つ脅威」として待合室からすら排除され、無性的な存在である子供だけがその結界を越えることを許されます。この徹底した空間の隔離が、逆に外部にいる男たち(夫たち)の脳内に、「そこは隠された特別な場所なのだ」という歪んだ好奇心や背徳感を植え付けてしまうのです。

家族ですら共有できない切断された密室。その異常な空間構造が、私たちの大切なパートナーを孤立させ、同時に男たちの心を歪ませていく。3歳の息子の無邪気な言葉は、この空間のいびつさを鮮やかに浮き彫りにしています。

それでは、また気が向いた時に。

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