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本ブログは、医療空間における権力構造や、そこに生じる心理的な嫌悪感・ざわつき等を分析・考察するものです。特定の医療機関や従事者を非難・攻撃するつもりはありませんが、記事の性質上、医療現場の生々しい実態や直接的な表現が含まれる場合があります。ご自身の心身の状況に合わせて、無理のない範囲で閲覧をご判断ください。詳しくはサイトポリシーをご一読ください。
こんにちは、御簾納です。
美容外科の話題を続ける中で、この領域が社会でどう消費されているかについて、手元のノートから2つの象徴的な事件のメモを引っ張り出してみます。この2つの事案を対比することで、女性の身体における「タブーの境界線」が極めて残酷な形で浮かび上がってきます。
ひとつは、かつてタレントの奈美悦子さんが、自身の胸部(乳輪や陥没乳頭など)の美容整形の手術結果に不満を抱き、クリニック側を提訴した事案です。
この出来事が特異だったのは、彼女が自身の被害と怒りを、メディアを通じて「公の場」で堂々と表明したという点にあります。通常、美容整形、それも極めてセクシュアルな部位の失敗は、強烈な羞恥心が働くため泣き寝入りするケースが圧倒的に多い。しかし彼女は、その羞恥心をかなぐり捨てて、美容医療という密室の権力に正面から反旗を翻しました。
これは極めて稀有な瞬間でしたが、同時にこの事案は、部位が「胸」であったからこそ、ギリギリ公的なニュースとして成立したという側面も否めません。
では、これがもし「性器」であったなら、社会の反応はどうなるのでしょうか。
それを証明したのが、もうひとつの事案——ある有名モデルの「小陰唇縮小手術」にまつわるSNS漏洩事件です。
美容外科のスタッフによって「今日、彼女が手術を受けに来た」という噂がネット上に暴露された瞬間、凄まじい大炎上が起きました。ネット上には彼女の性器を揶揄する言葉が溢れ返り、人間の尊厳を踏みにじるような卑劣な蔑称まで飛び交いました。
「胸」の整形トラブルは当事者が自ら公に語ることができ、「性器」の整形は他者によって暴かれ、男たちのアングラな狂気を爆発させる。
しかし、私がこの漏洩事件で最も注目したのは、異常な大炎上の直後に起きた「不気味なほどの急速な鎮火」です。
一時的に熱狂したこの騒動は、その後、まるで何事もなかったかのように急速に収束していきました。なぜか。それは、この話題が社会にとってあまりにもセンシティブすぎたからです。「他人の女性器の形」について集団で嘲笑し続けるという行為は、人間の持つ根源的なタブーに触れすぎており、騒いでいる側にも得体の知れない居心地の悪さを生じさせたのでしょう。
女性器という存在は、社会にとって取り扱い不可能な爆発物です。
だからこそ、婦人科の内診は沈黙の中に隠蔽され、美容としての性器整形は「清潔」という言い訳でコーティングされなければならない。この2つの事件の対比は、私たちが抱える巨大なタブーの輪郭を、見事に浮き彫りにしています。
それでは、また気が向いた時に。


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