空間社会学

メディアと表象

【No.093】漂白される日本と、無力化される密室 —— ドラマ版『戦慄の絆』が暴く「2つの生々しさ」

こんにちは、御簾納です。前回はクローネンバーグ監督の『ザ・フライ』にまつわる内診台の裏話をお話ししましたが、今回はそのクローネンバーグの代表作が現代に蘇った作品について語らせてください。夜更けに動画配信サービスを眺めていて、思わず手を止めて...
社会とジェンダー

【No.083】密室のバグと網タイツ —— ガーターベルトが破壊した「医療空間の前提」

こんにちは、御簾納です。ネットの掲示板や、知り合いの医療関係者から漏れ聞こえてくる「現場のリアルな声」を集めていると、時折、空間社会学の定説を完全にバグらせるような斜め上のエピソードに出くわすことがあります。今回はそんなお話です。これは、あ...
空間と装置

【No.079】『清潔感』という名の冷たさ —— 私が許せるのはベージュだけらしい

こんにちは、御簾納です。クリニックを歩いていると、ある一つの色の支配力に驚かされます。白です。壁、床、家具、それにスタッフの衣類まで、日本の医療空間では白が「清潔」「無菌」「誠実」の象徴として、ほとんど強迫観念のように使われています。ノート...
空間と装置

【No.078】フードコートの呼び出しベル —— 名前を呼ばないための、ずいぶんな回り道

こんにちは、御簾納です。婦人科の待合室で、患者をフルネームで大声で呼ぶことは、今では最大のタブーとされています。そのため番号札とモニターの組み合わせが一般的なのですが、近年、なかなかユニークな呼び出しシステムが導入され始めているようです。フ...
社会とジェンダー

【No.074】「適温」という名の暴力 —— 更年期外来の空調と、リモコンを握っている側の話

こんにちは、御簾納です。先日、職場で軽い言い争いを目にしました。空調の設定温度をめぐる、よくあるやつです。女性社員が「寒い」と言い、男性社員が「いや、暑いだろう」と返して、結局は一度だけ上げて手を打つ。どこの職場にもある光景で、誰も本気で怒...
社会とジェンダー

【No.065】内科と婦人科の境界線 —— 「邪魔な障害物」としての乳房と見えないフリの共同幻想

こんにちは、御簾納です。前回まで「上半身の密室(乳房)」に関するノートの切れ端をいくつか引っ張り出してきましたが、このテーマの最後に、私たちが最も日常的に利用する「内科」という空間での暗黙のルールについて書き留めておきます。先日、風邪をひい...
空間と装置

【No.059】スカートかパンツか —— 脱衣カゴと「数歩の距離」のサバイバル

こんにちは、御簾納です。ノートの切れ端をめくっていると、ネット上の女性向けの匿名掲示板やSNSで、定期的に、そして終わりのない熱量で交わされている「ある論争」についてのメモが出てきました。「婦人科には、スカートで行くべきか、それともパンツ(...
空間と装置

【No.057】見えないカーテンの向こう側 —— 敗北からの反撃と、空間社会学の真の幕開け(最終回)

こんにちは、御簾納です。Sさんが身を呈して突きつけた現実と、妻が語った「チクワの穴とエロティシズム」の残酷な真理。それらを前にして、私は一度完全に筆を折ろうとしていました。「男の暴力的なまなざしが浄化されていない社会において、安易に空間をオ...
空間と装置

【No.052】空間社会学の敗北 —— 内面化された『オスのまなざし』と防空壕の正体

こんにちは、御簾納です。前回、私はSさんとの対話の中で、自分の口から「マンコ」という単語を滑らせました。自分のまなざしに加害性があることを、私はその時点ですでに知っていました。少し前に、彼女の証言を自分の欲望の材料にしたことを自覚し、その前...
空間と装置

【No.044】妻たちの『消去法』とシステム論への逃避 —— Sさんからの最後通牒

こんにちは、御簾納です。一連の考察は前回【No.043】でひとまずの区切りとし、このブログは記録として残しておくと宣言したばかりでした。しかし、私は早々に自らの不明を恥じ、再びこの重苦しい空間の扉を開けなければならなくなりました。休載期間中...