医療の歴史

メディアと表象

【No.086】白い巨塔の底に流れる泥水 —— 原作小説が描いた「溝浚え」の衝撃

こんにちは、御簾納です。先日、本棚の奥から山崎豊子さんの『白い巨塔』を引っ張り出して、久しぶりに読み返しました。言わずと知れた、日本の医療小説の最高峰です。浪速大学の第一外科の教授の椅子をめぐって、男たちが金と派閥と根回しで殴り合い、後半は...
権力と医療倫理

【No.038】分類という名の征服――笠井寛司博士と『日本女性の外性器』

こんにちは、御簾納です。空間社会学、あるいは医学史の裏側を覗こうとする者にとって、避けては通れない一冊の「奇書」があります。1995年に出版された、笠井寛司博士による膨大な記録集、『日本女性の外性器』です。この本は、医学書という体裁をとりな...
権力と医療倫理

【No.035】冷たい金属の記憶――「クスコ(腟鏡)」に刻まれた客体化の歴史

こんにちは、御簾納です。以前の記事で、内診室に響く「カチャカチャという金属音」が、女性をモノへと切り替えるスイッチとして機能しているというお話をしました。今回は、その音を鳴らしている器具そのものに焦点を当ててみたいと思います。日本の婦人科に...
権力と医療倫理

【No.009】産婆のコミュニティから近代医学へ――「まなざし」が男性化された歴史

こんにちは、御簾納です。日本の内診室にはなぜ「カーテン」が必要だったのか。その根本的な理由を探るためには、空間の構造だけでなく、日本の近代医療史を少し遡る必要があります。江戸時代から明治の初期にかけて、日本における女性の出産や特有の病のケア...